第5回

第5回PCO 無事に終了しました。

『バレエ』の教育の本来的に好ましい方向性を示していきたい、という理念で 岡山でスタートいたしました program for competition も 今回で5回目となり、参加者さんも増加し、ワークショップと併せての審査ーアドバイス、コメントの充実が実りのある会として認識していただけだしたことを実感する第5回となりました!

各審査員の先生方、朝9時から夜7時半まで クラス評価から舞台審査、子ども達と審査員の先生とのface to faceの個別アドバイスタイム、など盛りだくさんな指導のあと 帰途についた新幹線車中などから 全エントリーの中の将来性を感じるエントリーベスト12の名簿を送ってきてくださいました。


各審査員の先生方の選考

落合恵利子先生による「香港アジアングランプリ」

①コンクール部門スカラシップ

スカラシップ 2名

1)127

2)112

スカラシップ次点

3)118

4)114

②サマーインテンシブ(summer school)へのスカラシップ

スカラシップ 2名

1)66

2)100

スカラシップ次点

3)94

4)134

落合恵利子先生 将来性のある Best12(順位ではありません)

コンテ部門のみ個別アドバイス中のため未審査

54

55

66

85

94

100

112

114

118

121

127

134

矢上恵子先生 将来性のある Best21(順位ではありません)

B部門については個別アドバイス中のため舞台審査は行わず、クラス審査により決定いたしました

13

25

34

45

47

66

77

82

85

94

101

109

112

113

114

118

120

121

127

134

将来性のあるM部門

142

アレクサンドル・ブーベル先生、鶴谷美穂先生 将来性のある Best12(順位ではありません)

アドバイスタイム、コーチングなどで審査していない部門について、クラスを加味し、お二人で合議されました

18

33

45

55

66

73

92

94

101

112

114

118

大嶋正樹先生 将来性のある Best13(順位ではありません)

C・S部門は個別アドバイス中のため未審査

45

55

66

82

85

87

92

94

100

107

109

将来性のあるM部門

146

147

平井優子先生 M部門(順位ではありません)

センス・振付・コントロール、トータルな意味でのBest3

143

145

146


『好ましいバレエレッスンの進ませ方』

今回は5回目ということもあり、審査途中の場当たり時間を利用して、 『バレエの教育のありうるべき姿』を具体的に審査員の先生方からお話しいただく時間を企画いたしました。

第4回まで行っておりました全審査終了後の審査員の先生方と指導者さんとの懇談会で出た内容などを まとめてみました。

今後の指導の参考のひとつにしていただけましたら、と希い、記録を一部掲載いたします。

毎年指導者の方から出る質問とそれに対する審査員の先生方のお答え

Q)小学生低学年7〜9歳の頃で、どれくらいの頻度で基本レッスンを受けるのが好ましいでしょうか。

A)週に2〜3回のバレエ基礎レッスンが理想ですが、バレエだけ習う、ではなく、 (バレエを習得するにも多くの能力が必要になってきますので)幼いうちは、バレエだけやりすぎないように、頭とからだを繋ぐ運動神経を育むスポーツや、瞬発力(からだも脳も)を養う習い事、感性や情操を育むものを与え、また、読書などでイメージする力などもこの頃伸びますから、時間を割いておくと良いと思います。

Q) ポアントを履くのに適した時期や、ポアントを履きはじめるまでに週にどれくらいのレッスンが必要でしょうか?

A)もちろん、個人差は考慮するべき、とした上で、 基礎レッスンがしっかり体得でき、軸がわかり、芯があるコーディネートができだした、10〜12歳くらいからポアント(トゥシューズ)を履き始めることが、子どもの発育の意味でも好ましいと思います。

からだがバレエ基礎をしっかり受け止めていたら、10歳から、そうでないなら、11,12歳から履いてレッスンしていくべきなのが ポアント(トゥシューズ)です。


次に今回のまとめとしての質問

Q)日本で増えるばかりのジュニアバレエコンクールでの11歳以下の子ども達のポアントを履いて、プリマバレリーナのソロを踊ることへ警鐘を鳴らす意見も出てきている昨今。審査員の先生方は 子ども達が、早めにポアントを履いて、プリマバレリーナのソロやプロ用に振り付けられたソリストのバリエーションを踊ることに対してどのようにお考えですか。

A)お腹や背中の引き上げや、つま先のトレーニング、足首をコントロールしきるトレーニングが不十分なのに、ポアントを履いてしまうと、 余程のことでない限り、膝周り、足首の伸び、足裏からのつま先の綺麗なカーブと力を 後から修正することは 困難なことなので、最悪、直せないのです。

子ども本人が辛いのです。

ですから、 今を急ぐのではなく、将来アカデミックにバレエを踊るために、 今、何が必要なのか、何が良いことなのか、を 指導者さんも保護者さんもよく、考えるほうが良いと思います。

日本のジュニアコンクールは、残念なことに、 ティーンエージャーでもプロの難しいテクニックをバリエーション1本の中で披露すると【1位】を与える傾向にあるので、お子さん生徒さんの成長のためにも、コンクールをよくみて、よく考えて 選ぶべきだと思います。 課題を見出す、課題を共有するための場数としてのコンクールを選ぶと良いでしょう。

バレエはあくまでも『芸術』ですから、技術以外の能力もたくさん必要なのです。

音楽や表現に繋がっていくために 年齢のからだ、情緒にふさわしいものにもっと触れたほうが将来性を育むと思います。

先ほどのポアントを履くタイミングですが、 パリ・オペラ座バレエ学校やロイヤルバレエ学校では 12歳13歳、しっかりとしたバレエ基礎ができてからポアントに移行するのです。からだにダメージの芽ができてしまってはいけないのです。

今の結果を、急ぐのではなく、将来性の保全し、かつ正しく成長するために何が良いのかを考えて行ってほしいです。

以上

文責:P.C.O.実行委員会

過去の結果

前の記事

第4回
過去の結果

次の記事

第6回